著者
宿里 充穗
出版者
独立行政法人理化学研究所
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

Cyclooxygenase(COX)イメージング剤の開発を目的として、非ステロイド性抗炎症薬のうち2-アリールプロピオン酸類を中心に11C標識PETプローブ化を行い、LPS誘発脳内炎症モデルラットを用いたPET撮像の結果、COX-1選択的なケトプロフェンの誘導体の11C標識体(11C-KTP-Me)が特に炎症領域の特異的描出に優れることを見出した。さらに、11C-KTP-Meはミクログリアの活性化に伴うCOX-1の変化を特異的に認識し、ミクログリア特異的マーカーとして有用である可能性が示唆された。また、サルにおいても同様に脳内炎症への集積が確認され、代謝動態もプロとレーサーとして適切なものであったため、今後、ヒトを対象とした臨床応用が期待される。