著者
長谷川 武夫 具 然和 鈴木 郁功 松根 秀樹 藤本 洋聖 辻本 晶州 板谷 由昭 富永 巽 田中 由子
出版者
鈴鹿医療科学大学
雑誌
鈴鹿医療科学技術大学紀要 (ISSN:13416472)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.163-168, 1998-03-30

小型永久磁石を体表に張り付けることで, 局所血流の増加が発生し, この局所血流の改善が肩こり, 筋肉痛, 更にこれらの局所血流増加による全身状態の改善が期待できる。本研究はメガネフレームを磁気物質で作成し, 磁気フレームメガネのフレームによる皮膚圧迫からくるコメカミの痛み改善とフレーム圧迫部の局所の血流増加がもたらす全身状態(肩こり, 筋肉痛等)改善の可能性を研究した。800ガウスの永久磁石をマウス皮下5mmまで近づけると, 皮下血流は2-2.5倍の増加が観測された。血流測定にはレーザードプラー血流計を使用し, 磁石はU型(極より5mmの位置で800ガウスの磁気強度)を使用した。また, 永久磁石の極性(N極, S極)を変えても, すべての磁極方向で同様な血流増加が観測された。この事はメガネフレームに磁石を利用すれば, 磁極方向に関係なく血流増加が見られるため, フレーム圧迫による血流阻害の改善が考えられる。