著者
富田 広樹
出版者
北九州市立大学文学部
雑誌
北九州市立大学文学部紀要 = Journal of the Faculty of Humanities, the University of Kitakyushu (ISSN:13470728)
巻号頁・発行日
no.89, pp.23-33, 2019

ミゲル・デ・ウナムーノの小説『アベル・サンチェス』は作者自身によっても陰鬱極まりない作品として評されている。一見なんの救いもないこの作品において、嫉妬に苦しむカインとしての役割を負わされている登場人物ホアキン・モネグロの固有名にあらためて注意を払うことで、結末における一場面を希望あるものと解釈することが可能になる。
著者
富田 広樹
出版者
北九州市立大学文学部
雑誌
北九州市立大学文学部紀要 (ISSN:13470728)
巻号頁・発行日
no.88, pp.1-52, 2018-03

二○○○年に物故した英文学者、永川玲二は長年にわたってスペイン・セビーリャに居住し、膨大な蔵書を構築した。現在この蔵書はセビーリャ大学図書館に所蔵されている。本稿ではこのコレクションに含まれる日本語ならびに日本で刊行された文献について、その目録の有する問題点を指摘するとともに、実用に堪える書誌情報を提供することを目的とする。