著者
富田 真生 村井 源
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第37回 (2023) (ISSN:27587347)
巻号頁・発行日
pp.1T4GS402, 2023 (Released:2023-07-10)

近年,SNSにおけるトラブルが問題となっている.トラブルの要因はいくつか存在するが,その一つに「煽り」が存在する.しかし,SNSにおける「煽り」の詳細な定義付けはされておらず,正確な検出は実現されていない.そこで,本研究では,SNSにおける「煽り」の精度の高い検出を実現するために,煽り表現の分類を行った.対象データとして,Twitter APIを用いて煽りと分析者が判断したツイートを収集し,構成要素と考えられる手段と意図,話題を抽出して,アノテーションした.そして,各ツイートに含まれる構成要素の統計データを用いて,χ二乗検定,因子分析を行った.χ二乗検定では,構成要素のカテゴリごとに頻出しやすい組み合わせが得られた.因子分析では,プロモーション系,決めつけ系,誹謗中傷系,マウント系,誘導系の因子などが得られた.得られた結果は,SNSにおける「煽り」の構成要素と,その関係性に関する特徴を示しており,煽りツイートの分類に有用であると考えられる.