- 著者
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寺崎 正則
清野 和司
山城 さつき
- 雑誌
- 全国大会講演論文集
- 巻号頁・発行日
- vol.41, pp.208-209, 1990-09-04
光学的文字認識装置(OCR)における知識処理(後処理)の役割は文字認識により得られる候補文字の集合(以後、候補マトリクスと呼ぶ)を知識データベースを用いて照合し誤読やリジェクトを適応的に自動修正することである。文字認識が一文字毎を対象とし認識するのに対し、知識処理は候補マトリクスの各文字のつながりを対象とし、データベースを用いて探索し、記入された単語を裏付けるものであり、実用に耐える商用機の一役として必要不可欠な存在である。しかし、これまでの知識処理は一般に記入データに区切り(ブランクやスペース)を必要とすることや、姓名フィールドに記入される単語は姓名のみ(法人名不可)の制限事項などがあり、読み込まれた帳票の記入形式に適宜、対応した本格的な処理は未だ開発されていない状況である。本稿では、従来の記入制限をはるかに緩和したフリガナ付き手書き漢字姓名文字列(法人名含む)に対するフレキシブルかつ有効な知識処理の方法と、その評価実験結果を報告する。