著者
片岡 俊一 對馬 翼
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
地震工学論文集 (ISSN:1884846X)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.1029-1034, 2007

地震調査研究推進本部の長期評価によると, 青森県東方沖を含む三陸沖北部では, 2007年1月から30年間におけるM7クラスの地震の発生確率は90%である. 日本全国を見ても, この値は宮城県沖地震について高い値である. そこで, 青森県東方沖でM7クラスの地震が起きた際の青森県内の計測震度を著者らが求めた距離減衰式と観測点の増幅度を組み合わせて推定した. まず, 1994年三陸はるか沖地震を対象に提案手法を適用した結果, 県内の80%の観測点において±0.5の範囲で, アンケート震度と推定震度が一致した. また, 最大の差は1.0であった. 次いで1968年十勝沖地震の北側のアスペリティを予想対象地震と考えて, 各地の震度を推定したところ, 八戸市, 三沢市で震度6弱となった.