著者
新井 優 小倉 秀樹 井土 正也
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
雑誌
Synthesiology (ISSN:18826229)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.1-15, 2010 (Released:2010-04-28)
参考文献数
31
被引用文献数
5 2

1990年代後半から、熱電対による1550 ℃までの温度計測のための国家計量標準を整備し、それに基づく標準体系を構築して、高温域の温度計測の信頼性を向上させた。温度の国家計量標準が何段階かの校正の連鎖を経て、実際の計測に使われる熱電対に移転される仕組み(トレーサビリティ体系)を、標準器の利用の容易さ、校正事業者と産総研との役割分担など、多くの要素を考慮に入れて設計した。新しく開発した標準技術と、現在までに民間企業が培ってきた技術とを適切に融合させて、新しい技術の普及を見定めながら、全体として我が国にとって最も望ましいトレーサビリティ体系を構築した。