- 著者
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高橋 収
田中 伸二
小国 隆
中西 秀樹
- 出版者
- 日本皮膚科学会西部支部
- 雑誌
- 西日本皮膚科 (ISSN:03869784)
- 巻号頁・発行日
- vol.48, no.5, pp.892-896, 1986-10-01 (Released:2012-03-15)
- 参考文献数
- 13
- 被引用文献数
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フラジオマイシン(FRM)含有軟膏の大量使用が原因と考えられた両側感音難聴の2例を報告した。症例1は53才男子。たきびの火が着衣に引火し, 体表面積の70%(III度55%)の熱傷を受け, FRM含有軟膏を外用して総計38.5kgを使用した。外用開始約4ヵ月後より耳鳴の訴えがあり, 聴力検査で高音障害型の両側感音難聴を指摘された。症例2は18才男子。ガソリンの爆発で, 体表面積の70%のIII度熱傷を受け, 受傷後4週目頃より, FRM含有軟膏を外用し総計48kgを使用した。外用開始, 約5ヵ月後より耳鳴を訴え, 聴力検査で高音障害型の両側感音難聴を指摘された。2症例とも難聴は外用剤中止後も徐々に進行し, 約1年でほぼ全聾状態となつた。