著者
小山 英彦 北 貴志 大江 理英
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.373-378, 2018-09-01 (Released:2018-09-01)
参考文献数
21
被引用文献数
1

甲状腺手術の周術期死亡率は0.4%以下と低く,日帰り手術を行っている施設も少なくない。一般的な外科術後合併症の他に,危機的上気道閉塞,術後出血・血腫,反回神経麻痺などの合併症があり,これらの頻度は少ないものの,発生した場合の多くは集中治療管理を要することになる重要な合併症である。特に危機的上気道閉塞は,発生頻度は約1%と少ないが,死に至る可能性のある重要な合併症である。危機的上気道閉塞は術後出血・血腫による気管外からの圧迫,静脈およびリンパうっ滞による頸部腫脹および喉頭浮腫,さらに反回神経麻痺などが複合的な原因となって発生すると考えられているが,リスク因子など不明な点も多い。その発生を完全に予測することは困難であり,対応は早期発見・早期介入が原則である。医療チームは,危機的上気道閉塞の危険性や非常時の対応について理解を深めることが重要である。