著者
小山田 泰洋
出版者
日本生産管理学会
雑誌
生産管理 (ISSN:1341528X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.137-142, 2009

中国のコーポレート・ガバナンスは現代企業制度に至りようやくコーポレート・ガバナンスらしい姿が見えてきた。しかし, 株式化しても株式に市場性がない点でコーポレート・ガバナンス上の問題がある。<BR>しかも, 国有企業は慢性的赤字で, 株主の利益と経営者の役割は損なわれた状態である。<BR>したがって現代企業制度は10年以上経っているのにコーポレート・ガバナンスの確立までには至っていない。<BR>一方, 会社法は1993年制定され, 2度の改正の後, 2006年大改正の会社法 (以下, 新会社法と呼ぶ) は充実したが, 今のところ充分な成果が現れていない。この新会社法が有効に活用され, 着実に実行され, 株式化・民営化が推進されればコーポレート・ガバナンスもそれに伴って結実するであろうと考えられる。WTO加盟はその契機となっており, 股権分置改革等による改善余地も見えてきたのは大きな救いである。