著者
松本 浩資 一瀬 光之尉 小島 次雄
出版者
日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.202-206, 1988

三角光路干渉計にイメージインテンシファイヤー(I.I.)を結合させて,フーリエ変換分光法の,パルス性光源と面光源への適応性を調べた.前者の特性は流動分析系のような高速測定のため,後者の特性は高速測定において励起密度の低減を図るため必要である.近接型I.I.は全く画像ひずみを生じなかったが,高ゲインの管型のI.I.では干渉じまが不等間隔にサンプリングされ,ひずんだスペクトルを与えることが分かった.He-Neレーザーの等厚干渉じまを基準にフーリエ変換を修正することによって解決した.検出系の空間周波数応答の影響を検討し,又面光源への適応性を確認した.347nm 10nsのたった一発のレーザーパルスで,アセトニトリルとメタノールのラマンスペクトルが得られることが分かった.蛍光・レイリー光除去に関する新しい可能性に言及した.
著者
網田 孝司 岩本 一優 一瀬 光之尉 小島 次雄
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.37, no.8, pp.389-394, 1988-08-05

流れ分析系においてマルチチャンネルで連続測定された紫外吸収スペクトルの有効利用を目的にして,スペクトルのデータ圧縮の効果と,圧縮データの,高速検索,及びスペクトルの重なった多成分系の連続リアルタイム同時分析への利用の可能性とについて検討した.アダマール変換による圧縮を行い256点の原スペクトルデータに対して圧縮比0.08〜0.16程度が最良の識別確度を与えることを示すと共に,達成した検索速度により,リアルタイム検索の可能性について検討した.又圧縮データの,多成分同時分析への利用については最小二乗法による方法を示すと共に,この方法で0.08s間隔でのリアルタイム出力が可能になることを明らかにした.