著者
長谷川 雄基 小嶋 啓太 佐藤 周之 長束 勇
出版者
公益社団法人 農業農村工学会
雑誌
農業農村工学会論文集 (ISSN:18822789)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.I_215-I_220, 2017 (Released:2017-11-08)
参考文献数
10

本研究では, 無機系材料の耐摩耗性の評価におけるサンドブラスト法の適用性を検討した.サンドブラストの基本的性能の評価として, 研磨材の粒径の差異が試験結果に及ぼす影響と試験時間の経過に伴う研磨能力の低下の有無を検証した.加えて, サンドブラスト法におけるモルタル供試体の表面形状, 質量減少量, 摩耗深さの経時変化を評価した.結果として, 材質が同じ研磨材を使用した場合, 研磨材の粒径の増大に伴い供試体の質量減少量は増加することが確認できた.一方, 本実験条件では, 試験時間840sまでは研磨能力は確実に低下しなかった.サンドブラスト法では, 試験時間の延伸に伴い結果のばらつきが拡大することが確認され, 試験時間10sと30sではばらつきの少ない結果が得られることが明らかとなった.サンドブラスト法の試験時間30sで得られる平均摩耗深さは, 水砂噴流摩耗試験の試験時間10hで得られる数値に相当することが確認された.