著者
関根 正人 馬場 航 小方 公美子
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_1315-I_1320, 2019 (Released:2020-11-16)
参考文献数
9

台風や局地的豪雨による被害が日本各地で多発している.2015年に改正された水防法では,想定しうる最大規模の洪水・内水および高潮に係わる浸水想定区域を公表する制度が創設された.今後は起こりうる各々の水災害に対し,適切な対策を講じることが求められる.本研究では,浸水予測手法S-uiPSを用いて大規模豪雨と高潮が同時発生する状況下を想定し,浸水予測計算を行った.高潮時には,臨海部から都市河川を遡上する流れが生じ,河川水位によっては雨水吐を経由して下水道内への水の逆流や河川からの越水が生じる.こうした危険性は,河口から離れた地点においても十分に考えられる.本研究では,都市河川のどの範囲にまで高潮の影響が現れ,いずれか一方の外力による浸水と比較してどの程度深刻な事態となるかを明らかにすることができた.
著者
関根 正人 柴田 祐希 小方 公美子 中山 裕貴
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B1(水工学) (ISSN:2185467X)
巻号頁・発行日
vol.74, no.4, pp.I_1531-I_1536, 2018 (Released:2019-03-30)
参考文献数
8
被引用文献数
1

本研究では東京都23区の隅田川以東エリアに,近い将来発生する可能性が高い時間雨量100mmの豪雨が1時間降り続いた際の内水氾濫,さらに荒川が破堤し大規模な外水氾濫が発生した際の浸水予測計算を行った.これにより,豪雨,河川氾濫による浸水の発生,拡大プロセスを解明した.このエリアは浸水リスクが高くなると予想される地理的要因が存在する.そこで対象エリア東側の荒川以東エリアと,西側エリアである江東エリアを比較し浸水リスクの評価を行った.さらに今後の避難シミュレーションを見据えた検討も加えている.結果として床上浸水などの浸水リスクの高さが明らかになり,隅田川以東以外のエリアを含む広域避難の必要性についても示している.