著者
小松 義明
出版者
日本監査研究学会
雑誌
現代監査 (ISSN:18832377)
巻号頁・発行日
vol.2019, no.29, pp.32-41, 2019

<p>世界的な経済危機以降,国際的な監査規範の設定主体,特に欧州委員会や国際監査・保証基準審議会(IAASB)は,監査報告の改革を加速した。また,イギリスやオランダは監査報告の改革にいち早く着手し,フランス,ドイツおよび米国,そして日本においても改革が進行している。本稿は,各国の監査報告制度の改革の動向を示し,監査報告制度の新しい構造の形成を明らかにするものである。検討の対象となるのは,監査上の主要な検討事項(KAM)の基準化の取り組みである。その前提には,監査報告書におけるKAMの情報が資本市場にとって有意味であり,その結果,監査の品質が高められることにある。考察の結果,各国がISA701を模範とし,EU加盟国は関係する規則を取り入れ,監査報告書の改革を進めている状況が明らかになり,全体として,各国の監査報告書の形式と内容上のきわめて密接な関連性をみることができる。</p>
著者
小松 義明
出版者
日本監査研究学会
雑誌
現代監査 (ISSN:18832377)
巻号頁・発行日
vol.2019, no.29, pp.32-41, 2019-03-31 (Released:2019-09-04)
参考文献数
43

世界的な経済危機以降,国際的な監査規範の設定主体,特に欧州委員会や国際監査・保証基準審議会(IAASB)は,監査報告の改革を加速した。また,イギリスやオランダは監査報告の改革にいち早く着手し,フランス,ドイツおよび米国,そして日本においても改革が進行している。本稿は,各国の監査報告制度の改革の動向を示し,監査報告制度の新しい構造の形成を明らかにするものである。検討の対象となるのは,監査上の主要な検討事項(KAM)の基準化の取り組みである。その前提には,監査報告書におけるKAMの情報が資本市場にとって有意味であり,その結果,監査の品質が高められることにある。考察の結果,各国がISA701を模範とし,EU加盟国は関係する規則を取り入れ,監査報告書の改革を進めている状況が明らかになり,全体として,各国の監査報告書の形式と内容上のきわめて密接な関連性をみることができる。