著者
小林 万理美
出版者
教育哲学会
雑誌
教育哲学研究 (ISSN:03873153)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.94, pp.141-144, 2006-11-10 (Released:2009-09-04)

本書は、ハーバート・リード研究を体系的に進めた唯一の研究者とされるシスルウッド (David Thistlewood, 1944-1998) による、リードの評伝である。二〇〇一年に出版された新訳『芸術による教育』の別刷解題、山木朝彦氏による「芸術による教育とハーバート・リード研究の現在」のなかで詳細が紹介され、暫時を経た本年、待望の邦訳が出版された。美術と文学の評論を中心に、多数の-生涯で八十有余に及ぶ-著作を著したリード (Herbert Read, 1893-1968) であるが、シスルウッドが「唯一の」体系的研究者と形容されるのはなぜだろう。それは、以下の構成を眺めることで示唆されよう (各章原タイトルは原著による) 。