著者
森田 悠樹 橋本 剛 小林 康幸
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2010論文集
巻号頁・発行日
vol.2010, no.12, pp.36-41, 2010-11-12

コンピュータゲームプレイヤの研究ではゲームの解明も盛んに行われており,近年ではチェッカーが解かれて大きな話題となった.次のターゲットはオセロが有力である.証明数系の探索がオセロにも有効で特にWPNSが良い結果を出すことが報告されている.本稿では単純な2種類のαβ探索とWPNSの比較実験を行った.パブリックドローと呼ばれる定石から作った残り19から25石の難解な局面を使っている.その結果,ソートを行わないαβ探索の性能はかなり落ちるものの子ノードの数でソートしたαβ探索はWPNSと同等の性能を出すことが示された.またWPNSの探索における弱証明数計算の占める割合のデータを示した.それによりオセロ完全探索に向けた今後のより難解な局面の探索でWPNSなど証明数系探索が主役になりにくいことが予想された.また新たに分枝数を閾値とするαβ法を提案し実験を行った.