著者
小林 由希子 陳 省仁
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
vol.106, pp.119-134, 2008-12-18

出産前後の「里帰り」は他の先進国には見られないわが国独特の慣習であるが,これまで心理学分野ではほとんど注目されておらず,医療の視点から周産期リスクとして取り上げられ,否定的な側面が強調されてきた。日本では高度成長期,急速な都市化と核家族化が進み,出産場所は自宅から病院施設へ移行した。また,地域近隣との関係は希薄化し,子育ての環境も大きく変化した。その変化の中,否定的見解が示されても里帰り慣行は依然として続いていることから,そこに多くのニーズがあり,「里帰り」は現代も最初期の子育て支援システムとして養育性形成に関わる場となっている。しかし,この子育ての状況が変化し,支えとなっていた地域共同体が崩壊した現代において,里帰りの役割や持つ意味もまた変化してきており,里帰りが現代の子育て支援システムとして機能するためにはいくつかの課題があると思われ,本論文ではそれらの課題について論じる。
著者
小林 由希子 陳 省仁
出版者
北海道大学大学院教育学研究院
雑誌
北海道大学大学院教育学研究院紀要 (ISSN:18821669)
巻号頁・発行日
no.106, pp.119-134, 2008

出産前後の「里帰り」は他の先進国には見られないわが国独特の慣習であるが,これまで心理学分野ではほとんど注目されておらず,医療の視点から周産期リスクとして取り上げられ,否定的な側面が強調されてきた。日本では高度成長期,急速な都市化と核家族化が進み,出産場所は自宅から病院施設へ移行した。また,地域近隣との関係は希薄化し,子育ての環境も大きく変化した。その変化の中,否定的見解が示されても里帰り慣行は依然として続いていることから,そこに多くのニーズがあり,「里帰り」は現代も最初期の子育て支援システムとして養育性形成に関わる場となっている。しかし,この子育ての状況が変化し,支えとなっていた地域共同体が崩壊した現代において,里帰りの役割や持つ意味もまた変化してきており,里帰りが現代の子育て支援システムとして機能するためにはいくつかの課題があると思われ,本論文ではそれらの課題について論じる。
著者
小林 由希 湯本 幸子 青木 君代 西尾 由美子 藤沢 敏子 千葉 あかね 関 夏恵 保科 知子 阿部 かおり 高田 定男 宮澤 耕次 加藤 憲之 社浦 康三
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.318-321, 2002
被引用文献数
3

2000年下半期人間ドックでPWV検査を受けた869名を対象とした。年代別,性別の比較では,女性に対して男性のPWV高値が示された。年齢とPWV,拡張期血圧と収縮期血圧のそれぞれとPWVとの間にも男女共に相関がみられた。治療中を含む高血圧者群と血圧正常者群では有意に高血圧者群のPWVが高い結果となった。血清総コレステロール値とPWVでは男女共に有意な相関はみられなかった。動脈硬化予防には高血圧予防に対する働きかけが重要である。