著者
Shigeaki Moriura Satoko Ono Kumiko Sugiyama Satoshi Ito Yuji Ito
出版者
Japan Society of Ningen Dock
雑誌
Ningen Dock International (ISSN:21878072)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.20-22, 2016 (Released:2018-12-10)
参考文献数
5

Background: The management of asymptomatic pneumonia-like opacity detected by CT has not been clarified.Methods: We reviewed 12 cases of asymptomatic pneumonia-like opacity from 2,762 chest CTs performed at our check-up center between 2012 and 2014. Cases under treatment for respiratory disorders and those suspicious of specific infections were excluded.Results: In all 12 cases, CT findings of pneumonia-like opacity disappeared without chemotherapy.Conclusion: Patients with asymptomatic pneumonia-like opacity can be managed by observation if chronic respiratory disorders and specific infections have been ruled out.
著者
光島 徹 永谷 京平 有馬 信之 横田 敏弘 南原 好和 井熊 仁 津田 純郎 大橋 茂樹 横内 敬二 阿部 陽介 野村 朋子 抱井 昌夫 吉田 美代子 浅野 幸宏 小久保 武
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.23-27, 1989

4種類の免疫学的便潜血テストを,全大腸内視鏡所見を至適基準として評価した。一泊人間ドック受診者1,800名を対象として検討した結果,発見大腸癌6例に対する感度及び特異度はそれぞれ,イムディアヘムSPO.33,0.98,0Cヘモディア0.17,O.98,モノヘムO.33,0.99,チェックメイトヘモO.50,0.97であった。
著者
長張 愉美 高橋 秀理 小林 峰子 小林 雅人 正田 聡 豊田 利男 白石 史典 平塚 卓 平塚 秀雄
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 : 日本人間ドック学会誌 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.294-297, 1998-11-30
参考文献数
2

ドックに大腸検診を導入するに当たり,最も障害になるのは,その前処置となるポリエチレングリコール:ニフレック(以下PEG)の内服である。PEGの負担を減らす方法は,(1) 男性に対しては,抹茶味PEGを主軸に当日大量嵐内服(2) 女性に対しては,年齢,嗜好に合わせて,抹茶味PEGを主軸に複数のフレーバーを使用し,前日の食事制限などを含あ,こまやかな配慮が望まれる。
著者
小野寺 博義 町田 紀子 松井 昭義 小野 博美 阿部 寿恵 渋谷 大助 南 優子 岩崎 隆雄
出版者
Japan Society of Ningen Dock
雑誌
人間ドック = Ningen dock : official journal of the Japanese Society of Human Dry Dock (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.488-493, 2005-09-30
被引用文献数
1

目的:超音波検査による脂肪肝の頻度が一般のがん・生活習慣病健診受診者(A群)よりも有意に高いある職域(K群)において,生活習慣や交代制勤務と脂肪肝の関係を検討した.方法:K群の40歳から60歳の2,323人,およびA群の40歳から60歳の2,010人に生活習慣,勤務体制,摂取食品についてのアンケート調査を実施し,回答を得たK群の2,322人,A群の2,008人を対象とした.結果はロジスティックモデルを用いて解析した.結果:飲酒する人,運動する人,喫煙者では脂肪肝の頻度が有意に低率であった.K群男性では更に不規則な食事が脂肪肝のリスクを高める有意な要因であった.A群での食品別の解析では野菜,海藻,砂糖入り飲料の摂取が多い人では脂肪肝頻度が低く,肉の摂取は脂肪肝のリスクを高くする要因であった.これに対してK群では脂肪肝の有意なリスク要因となる食品がなかった.結論:K群においては食生活習慣異常が脂肪肝頻度高値の重要な要因になっていると考えられた.K群は交代勤務が多く,不規則な仕事内容の職域集団であることから食事が不規則になると思われ,食事のあり方を職場全体で検討し見直していく必要があると考えられた.
著者
玉置 昭英 大重 孝彰 遠藤 和弥 大田 史郎 矢野 方夫 渡部 紳一郎 笹森 斉 笹森 典雄
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.162-167, 2001

ライフスタイル症候群は,動脈硬化の危険因子が複合したマルチプルリスクファクター症候群に似た考え方であるが,更に生活習慣を併せて総合健康評価を行い健康増進を目的としている。<br>ライフスタイル症候群の該当者は当健診センター人間ドック受診者中の21.5%を占め,性別では男性に多かった。また,肥満者および飲酒,喫煙習慣の有る人に高頻度に認められた。検査項目別の異常率は,脂質異常,肝機能異常,耐糖能異常,高血圧の順であった。
著者
石塚 伸夫 外崎 好洋 鈴木 千晶 別所 芙美子 伊藤 和彦 島 香端 巧 好雄 山岡 真二 中島 俊一 永井 修 笈沼 正子 大石 正広 山下 俊明 山田 薫 塚原 等 永友 秀樹 竹内 智 白柳 雅義
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.12, no.2, pp.119-124, 1997

胃部検査後のバリウム(以下Ba)排泄状態をドック受診者にアンケート調査し,その結果を日常排便状態別にグループ分けし,それぞれのグループにて下剤服用量・服用時間とBa排泄との相互関係を把握した。そしてその結果を受診者に提示し,受診者が下剤服用方法を選択できるよう検討した。
著者
仲松 宏 大城 一郎 端慶山 良助 小禄 洋子 具志堅 明美 具志 成子 新里 かおり 奥山 美智江 比嘉 京子 島田 篤子 比嘉 譲 真喜志 かおり
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.34-38, 1993
被引用文献数
2

1991年4月より1992年3月までの1年間に当院人間ドックで腹部超音波検査時に甲状腺超音波スクリーニングを同時に施行し,5,567例中33例(発見率0.59%)の甲状腺癌を発見した。男性15例,女性18例に認めた。平均年令は47.7歳で,超音波検査で指摘できた33例全例が乳頭癌で,術後標本でみつかった潜伏癌の1個が濾胞癌であった。平均最大径は11.4mmで,腫瘍径10mm以下の微小癌が19例(58%)あった。腫瘍径15mm以下の癌の92%(24例/26例中)は触診上,触知不能(JTO)であった。リンパ節転移n<sub>1</sub>(+)が13例(42%),腺外浸潤 EX(ex)(+)が2例に認められた。超音波検査上,悪性を疑う所見は境界不鮮明(42%),低あるいは不均一な内部エコー(61%),砂状多発の石灰化像(55%)が主であった。超音波による甲状腺スクリーニングは極めて有効で腹部超音波検査時に甲状腺超音波検査を同時に行うことは有用と考えられた。
著者
Toshiki Fukui Kazuhiro Yamauchi Mie Maruyama Youichi Abe Sumie Yoshitaka Tadashi Yasuda
出版者
Japan Society of Ningen Dock
雑誌
Ningen Dock International (ISSN:21878072)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.70-75, 2015 (Released:2018-12-10)
参考文献数
24

Objective: We previously reported the usefulness of brachial-ankle pulse wave velocity (baPWV) based on a cross-sectional analysis of data from Ningen Dock and general health screening. In our previous studies, we observed a strong relationship between the clustering of atherosclerosis risk factors and baPWV. In the present study, to evaluate this relationship further, we performed a longitudinal analysis over a 10-year period.Methods: Of the 22,377 individuals in whom baPWV was measured using form ABI/PWV at our facility, 626 males with measurements in both the first year and the 10th year were selected as subjects. Results: A significant positive correlation was observed between baPWV and the number of atherosclerosis risk factors in the first year of measurement, similar to our previous study. Over 10 years, the amount of change in all 626 males was about 100 cm/sec and the number of atherosclerosis risk factors increased from 1.3 to 1.6. The change in baPWV over 10 years tended to be smaller the greater the number of atherosclerosis risk factors. However, the values of baPWV in the 10th year were still higher when there were a greater number of risk factors. Conclusion: It is significant to measure baPWV continuously and pay attention to changes in it since it may be possible to suppress increases in baPWV by reducing the number of atherosclerosis risk factors. Furthermore, our findings suggest that early interventions in atherogenic risk control are required to reduce increases in the stiffness of large arteries.
著者
吉益 順 三好 恭子 見本 真一 菊池 美也子
出版者
Japan Society of Ningen Dock
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.555-561, 2013

<b>目的:</b>健診における接遇改善のため,施設全体での取り組みのほかに放射線技術部が独自の方法で対策を試み,接遇向上に寄与することを目的とした.<br><b>方法:</b>部内で選ばれた風紀委員が接遇の月テーマ,週テーマを設定し,部内スタッフ26名全員がひと月ごとに当番制で接遇の評価担当者となった.評価担当者はテーマに沿って日常業務のなかでスタッフや健診現場を観察しながら,優秀な手本となる対応などを評価した.お互いの接遇を観察し合うなかで全体の意識と行動のレベルアップを図り,お客様の声や職員健診時のアンケートから効果を確認した. <br><b>結果:</b>優秀者として15名が取り上げられた.内訳としては20歳代8名中2名,30歳代4名中3名,40歳代10名中6名,50歳代4名中4名で経験年数の長いスタッフが多くを占めた.職員健診時の接遇に関するアンケート結果では,ほとんどが「良い」と「まあまあ」であった.「お客様の声」ではお褒めの言葉の割合が年々増加し,取り組みを継続した結果,平成24年はお褒めの言葉が苦情・要望を上回った.<br><b>結論:</b>部署独自の状況を考慮した方法で接遇改善に取り組むことにより,効果的に接遇向上がなされた.さらにレベルの高いサービスを提供するために今後も活動を継続していく必要がある.<br>
著者
伊藤 一人
出版者
Japan Society of Ningen Dock
雑誌
人間ドック = Ningen dock : official journal of the Japanese Society of Human Dry Dock (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.7-16, 2012-06-30
参考文献数
40
被引用文献数
1

我が国の前立腺特異抗原(PSA)を用いた前立腺がん検診の普及率は低く,現在も多くの臨床的に重要ながんが進行するまで見逃されている.また,前立腺がん死亡数は増加し続けており,2010年は11,600人と推計され,2025年には15,700人に増加すると予測され,最も効果が期待できる対策を早急に講じるべきである.<br> 前立腺がん検診は無作為化比較対照試験で死亡率低下効果が得られることが証明されており,日本泌尿器科学会は前立腺がん検診ガイドラインにおいて,「前立腺がん死亡率を低下させるPSA検診を推奨する」との指針を示した.一方で,検診受診から治療までの過程で不利益を被る場合もあり,検診の受診による利益と不利益を正しく住民に啓発したうえで,受診希望者に対して最適な前立腺がん検診システムを提供することをガイドラインに明記している.<br> 死亡率低下効果が証明されたPSA検診は,日本泌尿器科学会のガイドラインに沿って,日本の主な受診機会である住民検診および人間ドックなどで正しく普及させることで,前立腺がん死亡率の低下が期待できる.
著者
細野 安希恵 清水 正雄 足立 雅樹
出版者
Japan Society of Ningen Dock
雑誌
人間ドック = Ningen dock : official journal of the Japanese Society of Human Dry Dock (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.537-540, 2010-09-30

<b>目的:</b>男性受診者の混在する健診において,女性受診者がより安心して検査に集中できる環境作りの一つとして健診ブラの導入を検討したので報告する.<br><b>方法:</b>対象は平成20年12月1日より平成21年2月20日までに当センターを受診した女性受診者595名.健診ブラ使用にあたっては実施の旨を説明した文書を事前に郵送.使用希望者に対して使用経験についてのアンケート記入を条件に無料配布した.同時に医師・診療放射線技師による胸部エックス線画像への影響も検討した.<br><b>結果:</b>健診ブラのサイズ・着心地に対する印象は概ね良好であった.しかし,健診ブラに対する認知度・購入意欲は低いことが顕著であった.また,胸部エックス線画像に若干の歪みが認められた.<br><b>結論:</b>健診ブラの使用は女性受診者のサービス向上として有用である.健診ブラを着用することで安心感が増した受診が可能となり,レディースドックの代替案の一つとして期待される.一方,着衣枚数の増加から脱衣を必要とする検査では着脱に時間がかかった.受診者の購入意識が低いため,導入時にはコストパフォーマンスが問題になると予想される.胸部エックス線画像の読影への影響はほとんどなかった.<br>
著者
小関 忠尚 中川 明子 嶺尾 徹 野々村 昌雄
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.3, no.1, pp.136-141, 1988

「肥満とやせの判定表」は現在の日本人の性別,年齢階級別,身長別体重分布にもとついて作られ,合理的で,今後普及すると予想されるが,性,年齢に関係なく一本の数値でまとめられた「あなたの体重表」に比べ,加齢による体脂肪量増加が含まれているので,やせ方向に判定される傾向がある。体重による肥満判定には,体脂肪量が推定出来る背+上腕皮脂厚測定を併用する必要があり,これを併用すれば人間ドックの肥満判定にも使用出来ると考えられる。
著者
河邊 博史 和井内 由充子 齊藤 郁夫
出版者
Japan Society of Ningen Dock
雑誌
人間ドック = Ningen dock : official journal of the Japanese Society of Human Dry Dock (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.655-661, 2005-12-26

目的・方法:心不全の診断,治療効果判定,予後推定に有用な指標である血漿B型ナトリウム利尿ペプチド(BNP)濃度を,健康診断受診者194人(男性142人,女性52人,平均年齢50歳)を対象に1999年度2003年度に測定し,その経年変化を観察した.また,その変化と心血管病易発症状態として注目されているメタボリックシンドローム関連因子(body mass index:BMI,脂質,血糖血圧)の関係について検討した.結果:両年度の血漿BNP濃度の相関係数は0.588で,両年度とも40pg/ml以上(心疾患発見のカットオフ値)の症例が4例,2003年度に40pg/ml以上に悪化した症例が10例見られた.これらの症例のうち,男性ではメタボリックシンドローム関連因子の集積が見られたが,女性には見られなかった.また,両年度とも正常値(18.4pg/ml以下)を超えていた男性13人では,両年度とも正常値であった男性100人に比べて2003年度の高血圧の頻度が高く,メタボリックシンドローム関連因子を1つ以上有する率も有意に高かった.しかし,女性では同様のことが認められなかった.結論:以上より,血漿BNP濃度の経年変化とメタボリックシンドローム関連因子の集積の関係には男女差が認められ,男性では両者の関係が認められたが女性では明らかでなかった.
著者
星野 立夫 田辺 光子 大塚 裕子 清水 文子 山下 幸枝 坂下 清一 大濱 正 宮崎 博子 三浦 賢佑
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.152-155, 2002
被引用文献数
1

禁煙指導の一助とするため,男性の喫煙率と年齢および職種との関連性を人間ドック受診者で調べた。受診者数の多い5職種を選び,その職種の2000年度の男性受診者全員を対象とした。男性の喫煙率は,若い年代で高く,年代が進むにつれて低下する傾向を示したが,年代だけでなく職場環境も喫煙率に影響している事が示唆された。生活習慣病予防のためには若い年代に対する禁煙指導の強化が望まれるが,職場環境を考慮したたばこ対策が必要と考えられた。
著者
小林 由希 湯本 幸子 青木 君代 西尾 由美子 藤沢 敏子 千葉 あかね 関 夏恵 保科 知子 阿部 かおり 高田 定男 宮澤 耕次 加藤 憲之 社浦 康三
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.318-321, 2002
被引用文献数
3

2000年下半期人間ドックでPWV検査を受けた869名を対象とした。年代別,性別の比較では,女性に対して男性のPWV高値が示された。年齢とPWV,拡張期血圧と収縮期血圧のそれぞれとPWVとの間にも男女共に相関がみられた。治療中を含む高血圧者群と血圧正常者群では有意に高血圧者群のPWVが高い結果となった。血清総コレステロール値とPWVでは男女共に有意な相関はみられなかった。動脈硬化予防には高血圧予防に対する働きかけが重要である。
著者
吉田 秀夫 藤井 勝実 中村 和弘 深澤 順子 新海 佳苗 新井 祥子 園部 洋巳 田村 由美子 花岡 和明
出版者
JAPAN SOCIETY OF NINGEN DOCK
雑誌
健康医学 : 日本人間ドック学会誌 (ISSN:09140328)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.61-65, 2004-06
被引用文献数
1

長時間労働を行っている勤労者に対して,人間ドック受診時に記入される問診票を分析することによって,問診票の持つ意義とその活用について検討した。平成14年度に当健康管理センターを受診した男性勤労者4,275名(平均年齢48.5±9.0歳)を対象とした。残業を含めた一日の労働時間から,対象者を12時間以上,8~12時間,8時間以内の3群に分類した。問診票のなかから労働態様,生活形態,嗜好習慣,身体的及び精神的愁訴について18項目を選び,長時間労働者の特徴を解析した。一日12時間以上の勤労者は500名あり,他の2群に比べて,年齢が若く,対人業務が多く,最近の仕事内容の変化でつらくなったと感じている者が多く,一ヶ月あたりの休日数は少なかった(P<0.001)。生活形態では睡眠時間が少なく,定期的運動習慣が少なく,3度の食事がきちんと取れない,寝る前に食事をとる,今も喫煙しているなどの特徴が見られた(p<0.001)。また,自覚的愁訴では体全体がだるい,朝の出勤がつらい,職場での対人関係が悪い,困った時の相談相手がいない,日常生活が楽しく過ごせていないなどの問題を抱える者が多かった(p<0.007)。長時間勤労は脳・心血管疾患の危険因子であることが示されているが,長時間労働者では多くの問題点を抱えており,労働状態や日常生活の把握に,問診表がもつ意義の重要性が改めて示された。
著者
Naoyuki Okamoto
出版者
Japan Society of Ningen Dock
雑誌
人間ドック = Ningen dock : official journal of the Japanese Society of Human Dry Dock (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.911-922, 2012-03-31
被引用文献数
1

Amino acids play a central role in many biological activities. Several recent studies have reported that plasma amino acids can be used as biomarkers to assess disease risk or progression, or to select proper treatment. This review summarizes recent clinical research using a novel approach of multivariate analysis called "AminoIndex Technology", which is based on plasma amino acids profile for cancer screening. A multicenter study was conducted to explore and validate the application of "AminoIndex Technology" to cancer screening for gastric, lung, colorectal, prostate, and breast cancers. AminoIndex<sub>®</sub> Cancer Screening (AICS) scoring involves evaluating cancer based on amino acid concentrations using 5 types of AICS values. AICS enables simultaneous testing for multiple cancers regardless of cancer or tissue type. Furthermore, because AICS can detect stage II (stage B) or earlier cancers and can easily be performed on a plasma sample, it can be conducted in conjunction with comprehensive medical examinations or regular health check-ups. It is expected that "AminoIndex Technology" will be applied to cancer screening and various other areas of clinical utility.
著者
三浦 猛 岡本 直幸 今泉 明 山本 浩史 村松 孝彦 山門 實 宮城 洋平
出版者
Japan Society of Ningen Dock
雑誌
人間ドック = Ningen dock : official journal of the Japanese Society of Human Dry Dock (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.51-55, 2011-06-30
被引用文献数
3

<b>目的:</b>血漿中アミノ酸濃度は,生理学的な代謝状態を反映することが知られており,肝臓機能障害時や種々のがんで血漿中アミノ酸濃度が変化することが示唆されている.前立腺がんの早期発見,治療につながる新しい診断マーカーの開発を目的とし,前立腺がん患者と対照者との血漿中アミノ酸濃度の比較に基づき,アミノ酸を変数とした多変量解析により作成した判別式「アミノインデックス」による前立腺がん判別の可能性を検討した.<br><b>方法:</b>前立腺がん患者と対照として人間ドック受診者の血漿中アミノ酸濃度を測定した.患者群と対照群とのアミノ酸濃度を比較し,個々のアミノ酸濃度変化を,変数選択を伴う多重ロジスティック回帰により,前立腺がん患者を判別する判別式「アミノインデックス」を導出,前立腺がんの診断能の評価を行った.判別能の評価基準としては,ROC曲線下面積(ROC_AUC)を採用した.<br><b>結果:</b>対照群と比較し,前立腺がん患者は,Alanine, Histidine,Asparagine, Prolineの増加,Triptophanの減少が見られた.導出された前立腺がんを判別する「アミノインデックス」は,ROC_AUC=0.74の判別能を有し,早期がんも検出できた.またPSAとは有意な相関は見られなかった.<br><b>結論:</b>前立腺がんを判別する「アミノインデックス」は,前立腺がんの新しい診断マーカーとなる可能性が示された.また,PSAと独立した指標であることから,PSAとの併用による有用性が示唆された.