著者
椎名 秀一朗 寺谷 卓馬 小尾 俊太郎 佐藤 新平 小池 幸宏 段 佳之 赤松 雅俊 藤島 知則 吉田 英雄 加藤 直也 今井 康雄 今村 雅俊 浜村 啓介 白鳥 康史 小俣 政男
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.24-30, 2000-01-25
被引用文献数
27 24

経皮的ラジオ波焼灼療法は, 病変に挿入した電極の周囲をラジオ波により誘電加熱し, 肝腫瘍を壊死させる新しい治療法である. 我々は, Radionics社のcool-tip型電極を用い, 肝細胞癌30例61病変を治療した. 病変の存在部位等を理由に経皮的ラジオ波焼灼療法を断念した例はなかった. 効果判定のために施行したCTでは, 治療を行った病変は最終的にはすべて造影されなくなり, 完全壊死に陥ったと評価された. Cool-tip型電極を用いた経皮的ラジオ波焼灼療法は, 経皮的局所療法で治療されてきたほとんどの症例に施行可能であり, 経皮的エタノール注入療法や経皮的マイクロ波凝固療法と比べ, 治療セッション数を少なくし入院期間を短縮できるものと考えられた. 近い将来, 肝癌治療の主流になると思われる.