著者
行本 敦 小泉 洋平 渡辺 崇夫 吉田 理 徳本 良雄 廣岡 昌史 沼田 結希 竹下 英次 阿部 雅則 日浅 陽一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.107, no.6, pp.1095-1101, 2018-06-10 (Released:2019-06-10)
参考文献数
7

症例は20歳代,男性.1年前より,全身倦怠感,体重減少がみられていた.当院転院1カ月前から皮膚搔痒感が出現.2週前,近医で肝機能検査異常を指摘され,前医に入院し,肝生検を施行された.非特異的な急性肝炎像の組織所見であった.その後,黄疸が増強し,当院に転院した.転院時,背部に10 mm大の不整形の淡紅色斑が多発していたことから,梅毒を疑い,RPR(plasma reagin test),TPHA(Treponema pallidum hemagglutination assay)陽性より,早期梅毒性肝炎と診断した.アンピシリン8週間の投与により,速やかに肝機能・黄疸は改善した.