- 著者
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松本 健
小浦 利弘
- 出版者
- 公益社団法人日本分析化学会
- 雑誌
- 分析化学 (ISSN:05251931)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, no.12, pp.807-811, 2001-12-05
- 被引用文献数
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難溶性の硫酸バリウムの分解方法として, 融解剤に硫酸水素アンモニウムを用いる, 迅速簡便な方法を確立した.硬質ガラス製試験管に硫酸塩試料の約10mgと硫酸水素アンモニウムの約2gを入れて混合した後, ガスバーナーの小さなフレームで試験管の底部を550〜600℃に加熱する.分解が進むに従って融解物は無色透明になり, 約5分間の加熱で十分である.冷却後, 固化した融解物を0.05M EDTA-アンモニア水溶液(アンモニア濃度; 3.5M)に加熱溶解し, 溶液中のバリウムを誘導結合プラズマ発光分析法あるいはフレーム光度法で定量する.本法を難溶性のバリウム鉱石の分解に応用し, 試料中のバリウムを定量したところ, 試料を炭酸塩融解して得た値とよく一致した.