著者
大神 勝也 中才 恵太朗 畑 秀明 松本 健一
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.2_93-2_105, 2019-04-26 (Released:2019-05-24)

アプリケーションのパフォーマンス改善において,実行時間を解析するプロファイラは有用と思われる.しかし,既存のプロファイラは特定の実行シナリオのもとプロファイリング時間を事前に設定する必要があり,実行シナリオなしでシステムのボトルネックを見つけることは難しい.また,各メソッドごとの実行時間を表示するインタフェースはソフトウェアの階層構造上における実行モジュールの位置などを把握することが難しい.これらの課題に対処するため,リアルタイムでパフォーマンス分析可能なソフトウェア都市可視化ツールHeijoを提案する.提案するプロファイラでは,アプリケーションの実行は3次元のソフトウェア都市として可視化され,アプリケーションのソフトウェア構造と実行のパフォーマンスが表現される.提案するプロファイラを使用して実際のJavaアプリケーションおよびAndroidアプリケーションのプロファイリングを行い,提案するプロファイラの有用性と実用性を確認した.
著者
堀江 俊治 田嶋 公人 松本 健次郎
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.138, no.8, pp.1003-1009, 2018-08-01 (Released:2018-08-01)
参考文献数
20

Capsaicin is a constituent of chili pepper, and induces the burning sensation on the tongue. The site of action for capsaicin has been discovered as transient receptor potential vanilloid receptor subtype 1 (TRPV1) that resides on the membranes of pain- and heat-sensing primary afferent nerves. The immunohistochemical study on the stomach revealed that nerve fibers expressing TRPV1 exist along gastric glands in the mucosa, around blood vessels in the submucosa, in the myenteric plexus, and in the smooth muscle layers. High numbers of TRPV1-immunoreactive axons were observed in the rectum and distal colon. Therefore, capsaicin stimulates TRPV1 not only on the tongue but also in the gut. In this review, the mechanism of gastrointestinal mucosal defense enhanced by capsaicin was summarized. TRPV1 plays a protective role in gastrointestinal mucosal defensive mechanism. Hypersensitivity of afferent fibers occurs during gastrointestinal inflammation. Abnormalities of primary afferent nerve fibers are strongly associated with the visceral hypersensitive state in inflammatory bowel disease (IBD). The alteration of TRPV1 channels in mucosa contributes to the visceral hypersensitivity in colitis model mice. TRPV1-expressing neurons in the gut are thought to be extrinsic sensory afferent neurons that operate to maintain gastrointestinal functions under physiological and inflammatory states.
著者
武田 隆之 牛窓 朋義 山内 寛己 門田 暁人 松本 健一
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ソフトウェア工学(SE) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.8, pp.1-8, 2010-03-11

本稿では,学生の演習課題のような小規模なソースコードを対象とした盗用の検出を目的とする.インデント,演算子などのコーディングスタイルに着目し,59 項目の特徴量として抽出し,盗用の発見に用いる.盗用関係にあるソースコード間において 59 項目の特徴量の差分を測定し,盗用関係にないソースコード間における特徴量の差分と比較したところ,28 項目の特徴量が盗用検出に有効であること,28 項目のうち 8 項目の特徴量はプログラムの内容によらず盗用検出に有効であること,8 項目のうち 3 項目の特徴量はソースコード整形ツールによるインデント整形に対して耐性を持つことが分かった.The goal of this paper is to detect software plagiarism in small-size source code like exercise assignments at school. This paper focused on coding style elements, such as indents and operators, and computed 59 quantitative measures from these elements. To evalute the usefulness of measures for plagiarism detection, we compared measures of suspected pairs (of plagiarism) and nonsuspected pairs. As a result, we found that 28 measures were effective to detect plagiarisms. Especially, 8 of 28 measures were effective for different program specifications, and 3 out of 8 measures were effective even after source code indentation tools were applied.
著者
東郷 正美 長谷川 均 後藤 智哉 松本 健 今泉 俊文
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.111, 2010

ヨルダン高原の北西端部に位置するウム・カイスは、古代都市ガダラに起源もつ遺跡の町である。ガダラは63 BCのポンペイウスよる東方遠征後、デカポリスの中心的都市となって大いに栄えた。しかし、749年に起こったパレスティナ大地震によって壊滅し、以後再興されることはなかったとされる。749年の大地震は、死海トランスフォーム断層に沿う活断層帯の活動で生じたM 7クラスの地震とみられている(Marco et.al, 2003など)。<BR> ウム・カイス遺跡を調査する機会に恵まれた演者らは、749年大地震のガダラ壊滅への関与を示す明確な証拠を求めて、発掘調査で露出した多数のローマ円柱に注目し、その出土特性を調べた結果、以下のような知見を得た。<BR><BR> 1)底面の縁が欠けている円柱が多数見いだされる。<BR> 2)このような底面縁に欠損部が認められる円柱を、64例見つけたが、その 多く(53例)は、円柱表面に特徴的な溶食帯(ひとつの接線に沿い一定の幅 をもって柱の両端に達するように生じている)を伴っていた。<BR> 3)このような溶食帯が上記の底面縁欠損部と対置するように発達するもの が、36例もある。<BR> 4)倒れた方向が判定できる円柱が36例あった。それらの方向性に注目する と、12例がほぼ東西方向、13例が南北方向を示し、この2方向への集中度 が高い。残りの11例はいろいろな方向に分散している。<BR> 5)倒壊した円柱とローマ時代の生活面との間に、10~数10cm、ところによ ってはそれ以上の厚さを持つ堆積物が存在することが多い。<BR> 6)倒壊円柱包含層の年代を把握するため、その上・下位層準中より年代 測 定試料を採取して14C年代測定を試みたところ、1870±40yBP、1740 ±40yBP(以上、下位層準)、1760±40yBP、1730±40yBP(以上、同または 上位層準)とほぼ同時代を示す結果が得られた。<BR><BR> 上記1)の底面縁の欠損部は、円柱が倒れる際に支点となった部分にあたり、この時柱の全過重がここに集中することで破壊が生じて形成されたと推定される。上記2)3)の溶食帯は、円柱が倒れた後、風雨にさらされてその頂部(嶺線付近)から溶食が進行したこと、しかし、溶食は円柱全面に及ぶことなく、また、浸食量も大きいところでも深さにして1cm程度であることから、円柱はまもなく埋没したものと思われる。多くの事例が以上のように同じような痕跡をとどめていることは、建物の倒壊が同じ原因で一斉に生じたことを示唆する。<BR> 上記4)は、倒壊した円柱群に、大地震の地震動による倒壊を思わせる全体的に系統だった方向性が明確に認められないことを示している。上記5)は、建物の一斉倒壊事件に先立ち、ガダラは市街地への大量の土砂に侵入を許していたことを意味しており、この時にはすでに都市維持機能は失われていたことを表している。その時代は、上記6)から4C初頭を前後する頃と推定されるので、ガダラの終焉に749年パレスティナ大地震は無関係と考えられる。
著者
森田 大夢 平尾 俊貴 石尾 隆 新田 章太 小西 俊司 森 康真 松本 健一
雑誌
ソフトウェアエンジニアリングシンポジウム2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.253-254, 2019-08-22

ソフトウェア開発者の育成を目的としたプログラミング研修では,プログラミングスキルの向上が期待される.本研究では,研修の効果を測定する試みとして,あるソフトウェア開発企業の新人研修で収集した 22 名のソースコードを用いて,研修前後でのプログラミングスキルの変化をソフトウェア品質の観点から調査した.その結果,研修前後でソースコード内の複雑度はあまり変化せず,宣言命令数が増加する傾向にあることを確認した.その要因として,研修後は変数を必要になった時点で宣言すると同時に初期化して使用するようにプログラムを記述する傾向が見られた.
著者
尾上 紗野 畑 秀明 松本 健一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.715-719, 2015-02-15

オープンソースソフトウェア(以下,OSS)開発には多くの開発者が携わっており,異なる特徴を持つ開発者が存在すると考えられる.開発者の特徴を明らかにすることで,OSSプロジェクトの成功に必要な開発者を明らかにできるなどのソフトウェア工学における新しい観点の発見が期待される.本稿ではGitHubで活発なOSSプロジェクトであるhomebrewとnodeに参加する開発者を活動履歴からクラスタリングし,その結果から開発者を分類した.クラスタリングで得られた樹形図を分析した結果,活発なOSSプロジェクトには迅速・議論型,迅速・総合型,悠然・総合型などの異なったタイプの開発者がいることが分かった.
著者
大和正武 神代 知範 門田 暁人 松本 健一 井上 克郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告
巻号頁・発行日
pp.73-78, 1999
被引用文献数
1

本研究では,視線とマウスを併用することでより効率のよい入力インタフェースの実現を目指す.その第一歩として,GUI上でのボタン選択操作を「ボタン上にカーソルを移動する操作(移動操作)」と「ボタンを押す操作(確定操作)」に分け,移動操作を視線で,確定操作をマウスで行う方式について検討した.適用実験の結果,視線によるカーソル移動は高速で,マウスのみによる選択操作よりも効率の良いことが分った.但し,操作対象となるボタンの大きさが1cm四方程度に小さい場合,視線のみでボタン上にカーソルを移動することは困難であり,視線による移動操作を補助する必要のあることも分った.
著者
木浦 幹雄 大平 雅雄 上野秀剛 松本 健一
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.51, no.1, pp.204-215, 2010-01-15

本論文は,動的なインタフェースを持つWebサイトにおけるユーザ行動の把握を支援するシステムWebjigを提案するものである.従来システムは,Webブラウザに表示される内容に着目しないため,動的に変化するWebサイトにおけるユーザ行動の把握が難しいという問題があった.本論文で提案するWebjigは,WebサイトのDOM(Document Object Model)を解析することで,Webブラウザに表示されている内容の動的な変化を記録・可視化することができる.実務経験者を被験者とした実験の結果,従来システムでは発見できなかったWebサイトの問題点を発見することができた.In this paper, we propose a recording/visualization system of user behaviors on a dynamic Web site for usability evaluation. Several existing systems only record histories of user's operations without output displayed on a Web browser. Hence, understanding of user's behavior in a dynamic Web site is quite difficult. Our system called Webjig records sequential changes of browser output by analyzing DOM (Document Object Model) used in aWeb site. Using three subjects with over 5 years industrial experience of Web site development, we experimentally evaluated the effectiveness of the Webjig. As a result, we have observed that developers could found usability issues from user behaviors recorded by Webjig.
著者
松本 健 西郷 彰
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.68-73, 2013-02-01

平成23年度データ解析コンペテイション「課題設定部門」は,ゴルフ用品の販売データが提供され,初期購入時点で将来において重要な顧客になるかどうかの判別をしたいという課題が課せられた.予測精度を決める要素として,どのモデルを採用するかが重要な要素になっているが,モデル以外の要素として,変数の加工や予測手順なども重要な要素である.われわれは,限られた時間のなかでこれらのバランスを考えながら分析を行った.以下で,どのような分析戦略のもと,予測を行ったかについて紹介する.
著者
大和 正武 門田暁人 高田 義広 松本 健一 鳥居 宏次
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.613-622, 1999-02-15
被引用文献数
19

本稿では 視線によるテキストウィンドウの自動スクロール方式を提案し 提案方式による自動スクロールが可能なテキストブラウザを用いた評価実験の結果について述べる. 従来の視線を入力とするインタフェースでは 視線情報をポインティングデバイスの代替として利用しており メニューやアイコンの選択のために一時的にではあるが作業対象から視線を外す必要があった. これに対して提案する方式では ウィンドウ内での視線の移動に着目する. 作業者はウィンドウ内で視線を移動させるだけで 表示したいテキスト部分をウィンドウ中央部に移動させ 表示させた状態でスクロールを停止させることができる. 評価実験の結果から テキストのスクロールにより文字列を検索するという作業(タスク)においては 視線による自動スクロールはキーボード操作によるスクロールと比較して同程度かそれ以上に有効であることが分かった. この場合 ウィンドウ中央から注視点までの垂直方向の距離をスクロール速度に比例させる制御方式が 他の方式に比べ優れていることが確認できた.This paper proposes a method and implementation for a system to automatically scroll a text window by tracking where a user is looking at. A user of the system can access a portion of the displayed document without using keyboard or mouse. Existing eye-tracking methods, which use eye-gaze as a substitute for pointing devices, require a user to "look at" menus and icons to manipulate a window display. In contrast, our proposed method uses eye movement within a window to control its display. A position of a user's gaze within a text window determines how to scroll the window, what portion of the text to display, and where to stop. Our user study demonstrates that the effectives of scrolling using this method is as good as one with convetional keyboard control as respects string search by scrolling. In particular, we have found that a controlling mechanism to determine the speed of scrolling in terms of the distance of the gaze point from the center of the window was both qualitatively and quantitatively superior to other control mechanisms in the string search by scrolling.
著者
松本 健郎 梅田 宗紀 西林 秀郎 石塚 繁廣 高橋 慎一
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.261-267, 2013-08-10 (Released:2013-12-11)
参考文献数
12

A novel apparatus for noninvasive measurement of pressure-cross-sectional area relationship, i. e., tube law, of brachial artery was developed. It is based on an oscillometric method in which a cuff is wrapped around the upper arm and pressurized to measure the oscillation in the cuff pressure. The oscillation of the cuff pressure is caused by the volume change in the brachial artery due to heartbeats. The volume change was obtained by multiplying the amplitude of the cuff pressure with cuff compliance that had been measured from the increase in the cuff pressure just after loading a precise amount of air into the cuff. Oscillation of the cuff pressure disappears when the artery is collapsed. By using this principle, an occluding pressure OP when the artery begins to collapse was measured. A modified transmural pressure mPt was introduced whose origin was taken at the point where the external pressure of the artery, i. e., the cuff pressure equals to OP. Relationship between mPt and cross-sectional area of the artery A was obtained as the tube law:The volumetric change of the brachial artery was obtained at each mPt and was fitted to the function $\displaystyle A=A_b \left\{ \frac{1}{b} \ln \left( \frac{ {}_mP_t - P_b } {a} +1 \right) +1 \right\}$ where Ab, Pb, a, and b are constants while assuming constant pulse pressure. Volume elastic modulus VE and in vivo cross-sectional area eA of the brachial artery were obtained from the tube law. Estimated tube law was very similar to that obtained by measuring the diameter of the brachial artery with ultrasound while changing the transmural pressure by pressurizing and depressurizing an airtight chamber that had been attached around the upper arm. Estimated eA correlated well with eA measured by ultrasound (R2=0.930, PVE obtained in the two methods was less than±3% (n=5). The present method is capable of obtaining pressure-cross sectional relationship of the brachial artery correctly with a simple process comparable to blood pressure measurement. Since it has been reported that in vivo brachial artery diameter correlates well with the severity of atherosclerosis, eA obtained in the present method might become a promising index for atherosclerosis.
著者
阪井 誠 中道 上 島 和之 中村 匡秀 松本 健一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.44, no.11, pp.2575-2586, 2003-11-15
被引用文献数
11

WebTracerはWebサイトをブラウズするユーザの視線と操作の記録,再生,分析を支援するユーザビリティ評価環境である.WebTracerは,ユーザがどこを注視しつつ操作を行ったかをコンパクトに記録することが可能である.評価実験の結果,WebTracerは既存のビデオ圧縮方式であるMPEG-2やMPEG-4に比べ1/10から1/20のデータサイズで,Web操作画面を記録し再生することができた.また,Webページのメニューが2カ所に分かれている場合は注視点の移動速度が速かったなど,視線とユーザビリティが関連している可能性が示された.WebTracerを用いれば,ユーザビリティの共同研究や,ユーザビリティ評価者と開発者の間でデータ交換することが可能になる.また,視線データを利用して問題のあるページを容易に探せるなど,ユーザビリティ評価を効率的に支援できる可能性がある.WebTracer is a new usability evaluation environment which supports record, reproduction,and analysis of a gazing point and operation while a user is browsing a website.WebTracer can record a user's gazing point and operation compactly.Results of an experimental evaluation showed that the size of the operation history taken by WebTracer was from 1/10 to 1/20 of the size of data recorded by an MPEG-2 and MPEG-4 format.Thus, with its compact form,the result of usability testing with the gazing point can be efficiently shared.It is expected that we can easily share empirical data between researchers.Also,evaluators can easily send the testing results as a feedback to the developers.Moreover, the results shows that a possibility that gazing points related to usability.For example, if the menu of a Web page is divided into two panes,gazing points moved quickly.It seems that WebTracer improves usability evaluation efficiently,since gazing point data helps to find out problems from Web page.