著者
武村 裕之 今岡 泰憲 守川 恵助 北山 可奈 稲葉 匠吾 楠木 晴香 橋爪 裕 小澤 香奈 鈴木 優太 西川 涼太 天白 陽介 岡田 誠
出版者
一般社団法人 日本呼吸理学療法学会
雑誌
呼吸理学療法学 (ISSN:24367966)
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, pp.2-10, 2023-03-25 (Released:2023-03-25)
参考文献数
27

目的:慢性閉塞性肺疾患(Chronic obstructive pulmonary disease:COPD)急性増悪患者への骨格筋評価は身体機能を判断する上で重要である。筋輝度(Echo Intensity:EI)は骨格筋の非収縮性組織を反映し注目されている。しかし,身体機能と骨格筋の非収縮組織との関係性は不明である。本研究ではCOPD急性増悪患者のEIと身体機能の相関関係を調査したので報告する。方法:2019年5月から12月に当院へ入院したCOPD急性増悪患者17名を対象とした。調査項目は初回理学療法介入時に測定した。超音波検査には日立製作所社製のF37を使用し,大腿直筋(Rectus femoris: RF)の遠位1/3のEIを測定した。画像解析にはImage Jを使用し,8−bit Gray Scaleによるヒストグラム解析を行った。身体機能評価はShort Physical Performance Battery(SPPB),6分間歩行距離(Six minutes walk distance:6MWD)とした。統計学的解析はSpearmanの順位相関係数を用いて,EIと身体機能項目との関連を調査し,統計処理はEZR version 1.38を使用し有意水準を5%とした。結果:EIはSPPB(r=−0.59 p<0.01)と負の相関を認めたが,6MWDとは相関を認めなかった。結論:COPD急性増悪患者におけるRFのEIと身体機能の相関関係を調査し,RFのEIはSPPBと中等度の負の相関を認めた。