著者
佐藤 正寛 小畑 太郎
出版者
Japanese Association for Laboratory Animal Science
雑誌
Experimental Animals (ISSN:00075124)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.731-735, 1995-10-01 (Released:2010-08-25)
参考文献数
11

シリアンハムスターを選抜実験に用いるため, 給与飼料および交配週齢が受胎率や離乳子数などの繁殖成績に及ぼす影響について検討した。雌240匹を2群に分け, 1群には草食動物用飼料ZC-2, 他の1群には繁殖用飼料MB-1を給与して育成した (育成期) 。交配時に各群をさらに2群に分け, 1群は育成期と同一飼料, 他の1群は飼料を変えて繁殖させた (繁殖期) 。交配は各群の半数を8週齢, 残りの半数を12週齢で行った。育成期にZC2を給与し, 繁殖期にMB-1を給与した区が, 雌親の分娩数, 離乳数, 3週齢時における子の匹数および一腹体重において有意に高い値を示した (P<0.01) 。12週齢交配区は8週齢交配区に比べて, 雌親の分娩数, 分娩時における産子数と一腹体重において有意に高い値を示した。しかし, 3週齢における子の匹数や一腹体重には差がみられなかった。以上の結果から, ハムスターの育成期には比較的高繊維質の飼料を給与し, 繁殖期に繁殖用飼料に切り換えることによって高い繁殖成績が得られることが明らかとなった。