著者
安藤 満代 谷 多江子 小笠原 映子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.1_101-1_106, 2011-04-01 (Released:2016-03-05)
参考文献数
25

本研究は,精神障害者のスピリチュアリティ,気分,および患者にとっての病気の意味について調べた。入院中の患者13名が1回約60分の面接に参加した。面接者は精神看護学の教員だった。患者は,スピリチュアリティを測定するためのFACIT-Spと気分を測定するためのPOMSに回答し,「病気の意味」について語った。内容分析のためにFACIT-Spの得点によって患者を高低群に分けた。気分については,標準と比較して「抑うつ感」が高く,「活力」が低かった。FACIT-Sp高群からは「病気への肯定的認知と人生の受容」「満足感のある生活」「病気の原因探索と対応」「過去の振り返り」が,FACIT-Sp低群からは「家族への負担感」「病気のつらい症状や治療」「社会的な不利」「人生の再構築」が抽出された。これより,スピリチュアリティが低い患者に対してはスピリチュアリティ向上のための介入が必要かもしれない。