著者
小西 幸男
出版者
近畿大学
雑誌
生駒経済論叢 (ISSN:13488686)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.193-216, 2006-03-31

EUは加盟国により構成され,EUの環境政策は環境法を通じて加盟国の国内法へと浸透していく。しかし,各加盟国は独立した国であり,それぞれにおいて国内の政策および法体系によって環境政策および行政を行っていることとEUの環境法政策は詳細の実施を各加盟国の裁量に委ねていることから複層に絡み合う二つの環境法政策の間には整合性の問題が存在する。EUの環境政策における整合性がどのように図られるかを解明することによって,EUの目指す環境法政策とはどういったものであるがより明確になるであろう。本論文ではドイツにおける容器包装例の国内施行例がEU環境法に照らし実施されたにもかかわらず,EUから違反事例であると指摘を受けた事件を考察することで,整合性の問題点を検証する。