著者
白木 照夫 平田 久美 小谷 良江 岡村 典子 浅田 知香 松本 久子 坂田 恵美 西藤 美恵子 藤岡 邦子 相田 保季
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research
巻号頁・発行日
vol.11, no.4, pp.916-920, 2016

<p>【緒言】動物の訪問による動物介在療法や動物介在活動は,本邦の一般病院にも広く導入されてきている,一般病院の緩和ケア病棟(以下PCU)での活動に関する報告は少ない.【方法】当院PCUで,2013年6月より,NHO日本アニマルセラピー協会の協賛により,犬が病院訪問を開始した.今回われわれは,緩和ケアの一環としてこの活動の効果や問題点を検討した.【結果】3名のセラピストが,セラピー犬3頭をつれて月2回病院を訪問し,2016年9月末までに計73回の会に,のべ487名の患者が参加した.開催後には患者家族は癒しを感じ,医療者とのコミュニケーションの改善が得られた.安全衛生面でとくに有害事象は生じなかった.【考察】セラピー犬の訪問は,介入動物の調教や安全衛生が確保されれば,一般病院PCUにおいても支障なく導入できた.アニマルセラピーは患者や家族だけでなく,職員にとっても癒しを実感することができる.</p>