- 著者
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小谷内 郁宏
- 雑誌
- 静岡産業大学 情報学部 研究紀要 = Journal of Shizuoka Sangyo University
- 巻号頁・発行日
- no.24,
太宰治の遺作とも言える『人間失格』(1948 年) のテーマについては、さまざまな解釈がなされている。CiNii( 学術情報データベース) サイトで、「人間失格」をキーワードに論文検索すると、この作品については「人間の営みへの違和感」、「生きることの困難」、「自己愛」、「道化であること」「宗教との相克」といったテーマ設定の論文が見受けられる。 筆者は、この小説の最終部分の章句よりテーマを「父から逃避」と仮定し、社会科学分野の計量テキスト分析、特にアンケート分析などでよく使用される分析ソフトKH Coderを用いテキスト分析をし、そのデータから仮定したテーマの妥当性を確認したい。