著者
瀧 誠志郎 青木 三六 小路丸 未来 稲田 純次
出版者
森林利用学会
雑誌
森林利用学会誌 (ISSN:13423134)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.36.151, 2021-07-31 (Released:2021-08-01)
参考文献数
22

非GNSS環境下の森林内で安全にドローンを飛行させることができればSfM(Structure from Motion)により森林内の三次元点群モデルを構築できる可能性があり,森林内調査の簡便化,省力化が期待できる。本研究では,AI搭載型ドローン(Skydio 2)による森林内調査への活用の可能性を明らかにすることを目的に,Skydio 2の森林内飛行の可否評価およびSfM処理による森林内の三次元点群モデルの構築を行った。森林内では,垂れ枝や立木に衝突することなく自動で回避しながら安全に飛行できた。SfM処理の結果,森林内に設置したGCPを使うことで地上解像度が0.0045 mの三次元点群モデルが構築できた。構築した森林内三次元点群モデルの精度は公共測量で定める精度規定を満たすことがわかった。Skydio 2の飛行性能を勘案すると,本研究で実施した林分よりも高密度林分であっても安全に飛行させることができ,森林内調査に活用できると考えられる。Skydio 2のような森林内飛行が可能なドローンは,効率的に森林内の情報を高精度なデジタルデータとして取得することができることから「林業DX」の実現に資する有効なツールである。