1 0 0 0 膵性腹水

著者
迫田 晃郎 西 俊平 小野 二六一 野上 洋一郎
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.13, no.8, pp.1052-1056, 1980-08-01

良性膵疾患, 主として慢性膵炎に伴う膵性腹水は膵管または仮性膵襄胞壁の破裂が主要因となる比較的稀な病態である. 診断は腹水を来す病態の中に膵性腹水があることを銘記しておくことが肝要で, 腹水の高蛋白, 高アミラーゼ値の特性が把握されれば容易であり, 逆行性膵管造影による膵管病態の情報は有用である. 一般に保存的療法に対して難治性で, 術前に的確な病態が把握されれば外科的に治療しうる場合が多い. 最近アルコール多飲者で難治性腹水を伴い肝硬変の擬診で来院, ERP に際して膵管から注入した色素の腹水中移行で膵性腹水と診断し膵管破裂部を含む膵体尾部切除で治療せしめた症例を経験したので文献的考察を加えて報告する.