著者
小野垣 俊男
出版者
The Chemical Society of Japan
雑誌
日本化學雜誌
巻号頁・発行日
vol.83, no.2, pp.206-208,A14, 1962
被引用文献数
1

北海道産ハッカ油(Mentha arvensis var.)申の低沸点成分からはじめて2-イソプロピルシクロペンタノンを分離確認した。このものは強いエーテルようのにおいをもつ油状物で,酸化銅を溶解して緑青色を呈し,加温すると暗灰色に退色する。性状は・bp<sub>7</sub><sub>6</sub><sub>0</sub>;175℃;bp<sub>2</sub>38.5℃;d<sup>2</sup><sup>8</sup><sub>4</sub>0.9105;n<sup>2</sup><sup>0</sup><sub>D</sub>1.4419で光学不活性であり,いくつかの誘導体および紫外・赤外吸収スペクトルにより確認し,さらにシクロペンタノンから合成して同一物であることをたしかめた。