著者
小野寺 美希子
出版者
一般社団法人 日本看護研究学会
雑誌
日本看護研究学会雑誌 (ISSN:21883599)
巻号頁・発行日
pp.20220106174, (Released:2022-10-07)
参考文献数
41

目的:本研究はCOVID-19病棟での職務経験を有する看護師を対象に,仕事経験を通じた学習プロセスを明らかにすることにある。方法:ある病院に所属する看護師17名にインタビュー調査を行い,得られたデータはGTAの手法に基づき分析した。結果:「感染リスクとの対峙」経験は,「感染予防への価値認識」のプロフェッショナリズムの醸成を促していた。「部署間境界を越えた協働」と「ケアリングの模索」経験は相互作用しながら「職業へのコミットメント」と「他者・COVID病棟へのコミットメント」のプロフェッショナリズム醸成を促していた。「感染回避力」「協働する能力」「ケアリング能力」は「職業・職業集団への一体化意識」「利他的信念」「自主的行動と協働への価値認識」のプロフェッショナリズムの影響を受けて高められていた。結論:本研究ではCOVID-19に関する仕事経験を通した看護師の段階的学習プロセスを明らかにした。