著者
小高 真紀子 福原 絵里子 金子 国雄 浅田 研一 荻野 和正
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.2, pp.187-192, 2014-05-25 (Released:2014-06-21)
参考文献数
30

ワクモの習性を利用したトラップを試作し,海外で既に報告されているトラップとワクモの定着数を比較した.まず,2枚の板を重ねて,2枚の板の1辺が接合するトラップ(非平行板トラップ)と2枚の板が平行となるトラップ(平行板トラップ)を作製し,ワクモの定着率を比較した.その結果,平行板トラップと比較して非平行板トラップの定着率が高くなる傾向を示した.次に杉,桧,竹およびポリ塩化ビニールのうち非平行板トラップに最も適した材質が何かを検討した.その結果,杉や桧は他の材質よりも有意にワクモが定着した.また,既報の段ボールや厚紙を用いたトラップよりも著者らが作製した杉材の非平行板トラップに有意にワクモが定着した.以上の結果から,今回開発したトラップはワクモを効率よく捕獲でき,農場におけるモニタリングや駆除あるいはワクモの生態解明の有効な道具となりうることが示唆された.