著者
小﨑 慶介
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.348-352, 2016-05-18 (Released:2016-06-13)
参考文献数
7
被引用文献数
2 3

日本の小児リハビリテーションの歴史は,田代義徳,柏倉松蔵,高木憲次らを中心として,1910年代に始まった肢体不自由児療育運動が1つの発端となっている.この運動を通して,社会から隔絶された手足の不自由な児童に教育,整形外科的治療とリハビリテーション(医学的治療),職業教育が施されるという枠組みが形成された.戦争によっていったんこの仕組みは壊滅的な打撃を受けたが,戦後は児童福祉法制定などを通して制度の整備が進められた.時代の変遷とともに対象疾患や病態が変化しており,今後もより包括的な枠組みの中で小児リハビリテーションを推進することが求められている.