著者
尹 〓喜
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.7-17, 2007-04-30 (Released:2009-08-04)
参考文献数
23

近年の社会では, 子世代の高学歴化, 就職時期の遅れ, 結婚年齢の上昇などによって親が成人子の世話をする時期が長くなり, 若者に対する自立が話題になっている。そこで, 本稿では, 成人未婚者の自立に影響を与える要因を探り, 経済的・情緒的・生活的自立間の関連性について男女別に分けて分析することを目的とする。韓国ソウルと京畿道に居住する20~39歳の未婚男女を対象に質問紙調査をした結果, 以下の知見が導かれた。第1に, 経済的自立にもっとも影響を与える変数は, 男女ともに親との別居であった。情緒的自立の場合, 男性では父親との親密度, 女性では経済面に対する父親の態度であった。生活的自立度の場合, 男女ともに親との別居であった。第2に, 各自立間の関連性において, 男性では, 経済的自立と情緒的自立, 経済的自立と生活的自立には正の相関が, 女性では, 経済的自立, 情緒的自立, 生活的自立すべての間に正の相関が見られた。