著者
尾上 伸明
出版者
The Japan Institute of Electronics Packaging
雑誌
HYBRIDS (ISSN:09142568)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.39-44, 1991-07-01 (Released:2010-03-18)
参考文献数
2

電子システムの実装密度の増加を求める動きから, コネクタも直接プリント基板表面に実装する必要が生じている。コネクタの面実装に通常用いられる方法ははんだ付けであり, はんだ接合部の破断の懸念が, 信頼性を担当する技術者のおもな関心事である。このような破断は, はんだ接合部に生じる機械的および熱的な応力によって引き起こされると信じられている。これらの応力は, 基板とコネクタの材料, リードの形状, コネクタの固定機構等の関数であり, これらの変数のそれぞれの効果が相互に影響し合うからこそ, 適正な分析には個々の部品よりむしろトータル・システムに対する配慮が望まれる。面実装されるコネクタの信頼性に及ぼす影響が数ある中で, リード部の形状はもちろん, その撓み性およびリードとハウジング間の相互作用が最も重要である。また, コネクタの小型化・高密度化が急激に促進されている中で, 面実装コネクタの信頼性をより高めていくためには, 製品設計時の配慮と分析, そして長期信頼性の確認試験手段の重要性はもちろんのこと, 構成部品の加工精度の向上が不可欠である。このため, コネクタ生産技術力の向上に加え各部品の材料においても, 特性に優れ, より経済的で量産加工性に適するものの開発が望まれる。