著者
尾崎 恭子
出版者
中国学園大学/中国短期大学
雑誌
中国学園紀要 (ISSN:13479350)
巻号頁・発行日
no.4, pp.61-67, 2005-06
被引用文献数
2

幼児教育において「絵本」は重要な保育内容の1つとして位置づけられているが,絵本は幼児の精神発達にどのような役割を果たしているのだろうか。本研究の結果は,幼児の絵本体験における発達を根底から支えているのが,"想像力"であり,しかも,それらの想像力が創造性や発明,発見へとつながっていくことが明らかになった。また,絵本を通して子どもたちの想像力を思いっきり飛翔させ,"感動"する心をくり返し体験させるためには,読み手である保育者の感動とともに,すぐれた絵本の絵と文が子どもたちの想像力を豊かにするための大きな役割をになっていることが分かった。そうした観点から,保育者はどのように絵本を選んだらよいかについて,文については5つのポイント,絵については10のポイントを具体化した。さらに,絵本の読み方をどのように工夫すればよいかについては,9つのポイントを具体化した。最後に,「ぐりとぐら」の絵本の実践例から,絵本を通して生活体験をより広げ,絵本の楽しみをより深めるための保育者の言葉かけや手立てを明らかにした。
著者
尾崎 恭子 加藤 泰彦 長廣 真理子
出版者
中国学園大学
雑誌
中国学園紀要 (ISSN:13479350)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.69-77, 2005-06-16

『幼稚園教育要領』および『保育所保育指針』において,乳幼児期の遊びは重要な学習であり,遊びを通して総合的に指導する重要性が述べられている。しかし,子どもたちの発達を促すためには具体的にどのような言葉かけや手だてをすればよいのかについては,はっきりしないのが現状であり,実際の遊び場面における言葉かけと手だての内容を明らかにすることが重要である。そのような視点から,本研究は「物と関わる遊び」を取り上げ,カミイら(1985)の研究にもとづいて,その指導法を明らかにすることにした。本研究ではまず,理論的な観点から指導上の原則を明らかにし,さらに,遊びの導入場面,遊びの展開場面,遊びの終わりの場面にわけて具体的な言葉かけと手だてを示した。最後に,それらの具体的な指導法にもとづいて,5歳児のボーリング遊びにおける言葉かけと手だてを考察し,保育者の望ましい言葉かけと手だての内容をまとめた。