著者
松迫 拓朗 渡辺 裕司 大畠 賢一 山下 喜市 安井 修一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OFT, 光ファイバ応用技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.52, pp.51-56, 2007-05-17

近年、電気式システムに代わるものとして、光ファイバセンサを用いたセンシングシステムの研究開発が活発に進められている。本稿では、FBGを用いたセンシングシステムのOTDR高速・高精度計測方式の提案と実証試験の結果について報告する。本システムでは、光源には波長可変光源を、外部変調器に偏波の影響が少なく、光増幅機能を持つSOAを導入した。連続走査された送信光をSOAにてスイッチングしてプローブ光パルスを生成し、このパルスの波長を送信側で特定する送信波長連続走査・特定方式とFBGのスペクトル特性の傾き(微係数)から中心波長を特定するスペクトル微係数検出中心波長特定方式の考案による高速・高精度計測の実現に本研究の特徴がある。実証試験では、送信波長連続走査・特定方式を用いた場合のシステム基本動作確認とFBG中心波長特定評価を行い、従来方式の8倍の高速化と2倍の高精度化が可能である見通しを得た。