著者
山下 富美代
出版者
立正大学心理学研究所
雑誌
立正大学心理学研究所紀要 (ISSN:13482777)
巻号頁・発行日
no.4, pp.35-46, 2006-03-20

第1報の擬音語・擬態語による感性的表現を用いた印象・イメージ評価の妥当性検討に続けて、本研究では、比較的嗜好性が高く、かつ感情にも左右されやすい香り刺激を評価対象として検討した。香料刺激は飲食関連に多用されているフレーバー系の7種[オレンジ・イチゴ(リアルタイプおよびカキ氷タイプ)・メロン・ラムネ・バニラ(アイスクリンタイプ)・バナナ] を用い、これらの印象を形容詞・形容動詞、擬音語・擬態語で反応するよう、大学生男女(151名) に求め、その結果をクラスタ分析で処理し、形容詞・形容動詞との対応関係が良好な24項目を感性表現語とした。次いで、予備実験の結果、男女大学生に嗜好性の高いオレンジ、レモン、グレープフルーツ、きんもくせい、バニラの香料刺激に対して、上記感性語による評価と18対のSD 法による評価を行った(被験者;男女大学生22名)。5種の香料刺激のSD 法の結果を因子分析にかけ、活性・非活性の2因子が抽出された。また感性語による評価をクラスタ分析した結果、活性的側面と非活性的側面とのそれぞれに対応する擬音語・擬態語が見出され、感性的表現による評価法として有効なことが示唆された。