著者
山下 昌宏 澤泉 雅之 前田 拓摩 棚倉 健太 宮下 宏紀 松本 綾希子 岩瀬 拓士 大野 真司
出版者
一般社団法人 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
雑誌
Oncoplastic Breast Surgery (ISSN:24324647)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.25-31, 2016-12-25 (Released:2016-12-26)
参考文献数
10

ティッシュエキスパンダー (以下TE) の留置は, さまざまな要因により延長される場合がある。今回われわれは留置が2年以上経過した症例を長期例とし, 期間, 要因および合併症を検討した。2006年1月から2012年12月の期間に TE を挿入した一次乳房再建例は740例であり, このうち長期例は30例 (4.1%) であった。長期留置30例の関連合併症は破損が4例 (13%) で, いずれも生理食塩水の漏出が緩徐な slow puncture であった。ほかに入れ替えを要する感染等は認められなかった。 長期留置の要因としては, 化学療法の影響やその合併症等が多数を占めたが, 他疾患の合併や患者事情により延期せざるを得ないことがある。その結果, TE の破損率は上昇すると予想されるが, 合併症によって緊急な処置を迫られるものではなく, 患者への IC を含め状況に応じた対応が必要である。