- 著者
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山下 晋吾
岡本 誠
- 出版者
- 日本デザイン学会
- 雑誌
- 日本デザイン学会研究発表大会概要集
- 巻号頁・発行日
- vol.54, pp.F03-F03, 2007
近年の情報技術の発達により、ユーザを取り巻くウェブコンテンツは急速に変化してきた。ウェブコンテンツを記録するブックマークは、その多くがディレクトリ構造による整理を行なっている。ディレクトリ構造は、非日常的で、論理的な整理を強いられるため、ひとたび編成されたディレクトリ構造は、再編成に手間がかかり、日々変わりゆくユーザの状況や視点に柔軟に対応できない。新たに登場したソーシャルブックマークは共有目的で、私的なブックマークとのシームレスな連携が必要であると考えた。 この問題を解決するために、本研究では「使用頻度による分類」と「位置による特徴付け」という実世界の整理法を用いたソーシャルブックマーク"Drawers"を提案した。日常的に使うものは机の上に、滅多に使わないものは押し入れの中に入れておくような感覚で操作することができる。また、Drawersはユーザの関心を表したデジタルダイアグラム"BookmarkStatus"を生成する。BookmarkStatusは全てのユーザで共通の関心領域の指標であり、これはユーザのソーシャルブックマークとしての用途をサポートすることができる。 評価実験の結果、個人のブックマークは良い評価を受けることができた。しかしBookmarkStatusが不完全であり、各ユーザの関心領域を示すパラメータの解析等、改良の余地が見られた。