著者
山下 隆之
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

2011年以降の円高の下で、日本の製造業者は、輸出における為替差損を避けるために、海外での現地生産を進めた。この傾向は、産業空洞化として知られる脱工業化現象に対する懸念をかきたてた。しかし、2014年後半の円安により製造業者の一部に海外の生産拠点を国内に戻す動きが見られるようになった。この国内回帰が産業空洞化による損失を埋めることができるかどうか注目される。本研究は、為替変動に呼応する対外直接投資の動向が国内の雇用と経済成長に与える影響を、シミュレ-ション分析により明らかにする。