著者
山中 克人
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.5, pp.603-609, 1996-05-15

手延素麺「揖保乃糸」の貯蔵における油脂の酸化程度は,油脂量,乾燥法及び微生物について,その影響を試験した結果から,次のことが明らかになった.<BR>(1) AVは手延素麺製造直後から増加し続けたが,POVは複雑な挙動が観察されたが,貯蔵期間の長期化とともに減少した.<BR>(2) 製造時,使用する綿実油量はPOVの生成に対して影響を与えなかったが,乾燥法では外干法の方が内干法よりもPOVの生成が抑制された.AVは,塗布油量の多少および乾燥法の影響を受けた.油量を増加して内干法を使用した時,AVは低価であった.<BR>(3) POVの低い手延素麺は,貯蔵中の水分を調節して,15%に保持すれば良い.<BR>(4) POVは手延素麺に生息している微生物の影響を受ける.<I>Eurotium sp</I>.を加えて製造した手延素麺のPOVは製造後2ケ月以上の貯蔵により安定化した.<I>Eurotium, sp</I>.の水溶性代謝物もPOVを抑制した.<BR>(5) 手延素麺ではAVおよびPOV,脂肪酸組成の間には相関は認められなかった.