著者
山中 顕次郎 漆谷 重雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告 : 信学技報 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.208, pp.77-82, 2012-09-20

ディザスタリカバリに備えたバックアップの遠隔転送を目的に,利用者が指定した速度で転送を行うファイル転送方式を提案する.本方式には,ネットワーク遅延やパケットロス率,それらの動的変動に関わらず,指定速度を守る,という特徴がある.このため,インターネットなどの安価な共用回線を介して,時間制約のあるファイル転送を行うのに有用である.本方式を用いて,海外パブリッククラウドとの間(ネットワーク遅延270ms)でファイル転送を行い,560MbpsとLAN並みの転送速度を達成したので,その実験結果も報告する.
著者
山中 顕次郎 青木 道宏 漆谷 重雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.113, no.292, pp.17-22, 2013-11-07

現在のネットワークでは,リンクアグリゲーションにより,広帯域性を確保することが多い.従来のTCP/IPベースのファイル転送方式では,一つまたは少数のTCPコネクションを用いてファイル転送を行うため,1)トラフィックがリンク間で偏在し,リンク全体では帯域に余裕があるのに,輻輳を引き起こす,2)結果として,リンク全体の帯域を使った高速転送が困難,という課題があった.本稿では,リンクアグリゲーションされた広帯域ネットワークにおいて,リンク間でトラフィックを均等に分散できるファイル転送プロトコル,MMCFTP (Massively Multi-Channel FTP)を提案する.MMCFTPでは,数百,数千といった非常に多くのTCPコネクションを用いて,ファイル転送を行う.このため,ポート番号をトラフィック分散の基準に使うネットワークであれば,リンク間で効果的にトラフィック分散できる.