著者
山作 房之輔
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.558-564, 1967-06-10 (Released:2008-06-12)
参考文献数
13

恙虫病の化学療法に際し,病初から治療を開始し,速やかな下熱をはかるとともに再発を起こさない投与法の改善を試みた. R. orientalis接種マウスを5日目からdemethylchlortetracyclineで治療すると, 5mg/day, 3日間投与群は全例再発して死亡したが,さらに引続き0.5mg/dayずつ3~5日間投与群は再発することなく完全に治癒した.恙虫病患者5例に第1~3病日からtetracyclien, demethylchlortetracyclineおよびmethacyclineを600~1000mg/dayの普通量3日間,引続き60~150mg/dayの少量を7日間経口投与する減量10日間法を行ない,全例円滑に治癒し再発を認めなかつた.本法は従来の少量長期投与法に比べ投薬日数は約1/2で,早期から下熱する点が優れており,再発防止効果も確実であつた.