著者
新倉 淳也 山内 徳保 重竹 誠二 小椋 徹也 月岡 哲
出版者
国立研究開発法人海洋研究開発機構
雑誌
JAMSTEC Report of Research and Development (ISSN:18801153)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.39-46, 2012 (Released:2012-04-18)
参考文献数
3

「かいこう7000 II」は, 深度7000mまで潜航可能なRemotely Operated Vehicle (ROV) である. 「かいこう7000 II」はランチャーとビークルの2つで構成され, 母船とランチャーは1次ケーブル, ランチャーとビークルは2次ケーブルで繋がれている. 従来の構成では, 1次ケーブルにはシングルモード (SM : Single Mode) 光ファイバが採用され, 2次ケーブルにはマルチモード (GI : Graded Index) 光ファイバが採用されていた. このGIの伝送量は, ハイビジョン映像等の大容量データを伝送するには不十分で, 大容量通信に適したSMへの換装が求められていた. そこで, 海洋研究開発機構では2009年よりSMを採用した2次ケーブルへの換装を進め, 2011年2月の海域試験での通信試験において「かいこう7000 II」の光伝送経路のSM化を達成した. SM化により, 伝送容量が飛躍的に向上し, ハイビジョン映像等の大容量の通信が可能となった. 本報告では, 「かいこう7000 II」の光伝送経路の概要と, 2011年2月に行われた海域試験の結果について報告する.