著者
川野直樹 山内利宏 谷口秀夫
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2014-OS-130, no.22, pp.1-8, 2014-07-21

協調処理では,プロセス間通信の性能が処理性能に大きな影響を与える.このため,プロセス間通信の高速化が必要である.本稿では,Tender オペレーティングシステムにおいて,プロセス間通信に特化した領域 (プロセス間通信データ域) を実現し,この領域を利用したプロセス間通信の設計と実現方式について述べる.プロセス間通信データ域とは,プロセス間の複写レスでのデータ授受機能を支援する領域である.プロセスは,この領域を利用して通信することにより,複写レスなデータ授受と仮想アドレスから実アドレスへの変換の高速化を実現し,プロセス間通信を高速化できる.また,評価では,Tender オペレーティングシステムの既存のプロセス間通信との処理時間の比較結果を報告する.