著者
北川初音 乃村能成 谷口秀夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. [システムソフトウェアとオペレーティング・システム]
巻号頁・発行日
vol.2013, no.17, pp.1-8, 2013-07-24

計算機の性能の向上にともない,1 台の計算機上で複数の OS を動作させる方式が研究されている.これらの研究において,複数の種類の OS を動作させることで,それぞれの OS が持つ特性を同時に利用できる.しかし,OS 混載のために仮想計算機方式を用いた場合,OS 間で依存関係が発生する.そこで,1 台の計算機上で Linux ベースの OS を複数混載する方式を提案する.本提案方式では,Linux の機能に制限をかけることなく動作可能である.本稿では,Linux ベースの OS を混載する場合に,改変を加える必要がある部分を明らかにする.また,本提案方式を実現するために必要な改変量は小さいことを示す.最後に本提案方式の実例として,Linux と Android の混載と 32/64bit Linux の混載について述べる.
著者
吉井英人 乃村能成 谷口秀夫
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告電子化知的財産・社会基盤(EIP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.4, pp.1-8, 2013-09-04

我々は,これまでに,整理されたカレンダ情報とは何かについて論じ,これを扱うモデルを提案した.整理されたカレンダ情報は,将来の計画立案や仕事の引継ぎに有用である.従来のシステムでは,インタフェースとして,紙のカレンダを模した形態をとっているため,これによるカレンダ情報の整理は難しい.本稿では,まず,情報整理の際のカレンダインタフェースの問題について述べる.次に,このカレンダインタフェースの問題に対処する方法として,Inbox による整理手法を提案する.Inbox による整理手法では,発生日時に依存しない方法で予定を一覧表示したり,整理されていない予定のみを表示したりすることで,カレンダ情報の整理を支援できることを示す.
著者
川野直樹 山内利宏 谷口秀夫
雑誌
研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS)
巻号頁・発行日
vol.2014-OS-130, no.22, pp.1-8, 2014-07-21

協調処理では,プロセス間通信の性能が処理性能に大きな影響を与える.このため,プロセス間通信の高速化が必要である.本稿では,Tender オペレーティングシステムにおいて,プロセス間通信に特化した領域 (プロセス間通信データ域) を実現し,この領域を利用したプロセス間通信の設計と実現方式について述べる.プロセス間通信データ域とは,プロセス間の複写レスでのデータ授受機能を支援する領域である.プロセスは,この領域を利用して通信することにより,複写レスなデータ授受と仮想アドレスから実アドレスへの変換の高速化を実現し,プロセス間通信を高速化できる.また,評価では,Tender オペレーティングシステムの既存のプロセス間通信との処理時間の比較結果を報告する.