著者
緒方 美和子 原田 直子 山口 佐緒理 中島 正俊 田上 順次
出版者
一般社団法人 日本接着歯学会
雑誌
接着歯学 (ISSN:09131655)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.212-219, 1999-12-15 (Released:2011-06-07)
参考文献数
11
被引用文献数
1

#600研磨紙 (AP#600), ダイヤモンドポイント (DP), 目の粗さの異なる2種類のスチールバー (SB600, SB703) 仕上げの象牙質面に対するレジンの接着性を評価するため, ClearfilLiner Bond II, Clearfil Liner Bond IIΣ, Clearfil MEGABONDを用いて試料を作製しMicrotensile bond testを行った.その結果, いずれの接着システムにおいても, 接着強さはAP#600群において最大値を示し, SB600群, SB703群, DP群の順に低下した.特にLBIIΣ においては各群の接着強さの間に有意差を認めた (p<0.05).接着強さの低下の原因として, バーにより切削された群では基質象牙質面上のスメアー層の厚さや性質がAP#600群と異なるため, セルフエッチングプライマーによって脱灰, 除去しきれずに象牙質上に残存するスメアーが増加し, スメアー層下の象牙質の脱灰, 象牙質内へのボンディング材の浸透が不十分となったことが考えられた.