著者
佐々木 和哉 与語 健太郎 山口 堅三 齊戸 美弘 福田 光男
出版者
日本生物環境工学会
雑誌
植物環境工学 (ISSN:18802028)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.152-158, 2011-12-01 (Released:2011-12-01)
参考文献数
14

モロヘイヤの葉中に含まれるビタミンB2を非破壊かつリアルタイムで検出することを目的として, UV-LED光をモロヘイヤに照射し, モロヘイヤから発生する蛍光観測可能な光学系を構築した. その結果として, 以下の結果を得た. 本測定法では, モロヘイヤから蛍光観察に要した時間は, 500 msであり, 従来の破壊検査法であるクロマトグラフィー法(数分から数十分)と比較しても非常に短時間の測定である. 本光学系では, リアルタイム計測も可能である. 1.モロヘイヤからの蛍光スペクトルで, 波長530 nmにピークを持つビタミンB2由来の蛍光を観測した. 2.紫外線障害が生じない励起光強度で最大の強度を320 μW mm-2と求め, 当該強度においても, 波長530 nmに蛍光ピークを持つ蛍光スペクトルを観測した. 以上のことから, 紫外光をモロヘイヤに照射することで, 生育過程中のモロヘイヤから非破壊かつリアルタイムでビタミンB2の検出を行えることを示した.